2022年5月 学校図書館研究部だより

一般社団法人 日本子どもの本研究会 学校図書館研究部会 2022.5.25

 

【6月部会】

6月3日(金)1830分から武蔵野プレイス3F オンライン19時から

2022年読書感想文を評価する

低学年の部『つくしちゃんとおねえちゃん』『ばあばにえがおとどけてあげる』『すうがくでせかいをみる』『おすしやさんにいらっしゃい』 

中学生の部『セカイを科学せよ!』『海を見た日』『江戸のジャーナリスト葛飾北斎』

申し込み honkengakkou@gmail.com

学校図書館メーリングリストのメンバーは申し込みはいりません。

4月部会報告】

1.2021年子どもの本の動向 報告 千田てるみ

子どもの本全般にわたって、テーマ別にお話ししていただきました。

『子どもの本棚』5月号参照

千田さんのお話をたどる。(おたより筆者の主観でまとめました)

<人間がこの地球で平和に暮らすには>

グラフィックノベル、ノンフィクション、図鑑、絵本などから平和のテーマで紹介し

「人類の共通の目標は何だろう」「食べ物が人口に1.5倍あるのに飢えるのはなぜ」などの疑問を投げかけながら、「仕組みを知る、歴史を知ることで、今の世の中をよくする本」としてまとめた。

<絵本は、わかりやすさ、いろいろな表現の仕方でその可能性を広げた>

絵本としての魅力を広げた色彩、写真、文、絵の在り方などさまざまな角度から絵本を紹介

<児童文学で今何が起きているか>

外国文学の子どもたちは行動し、日本の子どもたちは心の中で成長したといわれた時代から

日本文学は変化の時を迎えた。自分の居場所をよりよくするために行動する子どもたちが描かれた昨年出版の本を紹介。

<魅力ある科学の本>

興味深い科学の本の紹介の締めくくりとして

日本の学校では性教育がきちんとなされていない→出版社ががんばって必要な本を出している。出版界を評価したいと語られた。

千田さんの、鋭いコメントのついた本の紹介を堪能した。

2.今の課題と解決の道 参加者による課題の出し合い

〇高学年の子どもたちが「受験に役立つ本」を求めたり「刺激の強い本」を好んだりの傾向がありどのような本を手渡していくか迷うという課題が提起された。

高学年の子どもたちに本を手渡す工夫について、参加者の実践が報告された。刺激の強い本の要望に応えるお薦めの本も紹介された。

〇担任の代わりの先生(時数軽減のために時間講師)の授業の場合、相談しにくく、共同の授業が組みにくいという悩みが出された。

時間講師であっても、その先生の授業の時間であることを確認したうえで、年間計画に従ってその時間に何をやるのかを相談していくことや、時間講師が図書館の年間計画をもって積極的に取り組んでいる実践が報告された。

〇タブレットの導入による学校図書館離れの傾向があることが出された。

子どもの成長にとって学校図書館の役割、タブレット時代の学校図書館の役割について引き続き考えてくことが確認された。

4月の部会は内容の濃い、今年度のスタートだった。

5月部会報告】

2022年読書感想文課題図書を評価する

中学年の部 

チョコレートタッチ』『みんなのためいき図鑑』『111本の木』

『この世からサイがいなくなってしまう』

<担当者の報告、参加者の発言からの評価の視点>

プラス評価の視点

〇楽しく読める。題材、ストーリー展開にユニークさがある。希望が持てる。子どもの学習の刺激になる。新しい発見がある。自問自答を誘う展開がよい。目に見えないものを取り上げたのがよい。写真、グラフ、地図がわかりやすい。取り上げている題材がよい。多角的な視点から描かれている。

マイナスの観点

〇設定に矛盾がある。始めの人物設定と終わりのころの設定にずれを感じる。先が読めてしまう。わかりにくさが残る。男女の絵がステレオタイプ。中学年には内容が難しい。(高学年に手渡したい)

高学年の部

『りんごの木を植える』『風の神送れよ』『ぼくの弱虫をなおすには』『捨てないパン屋の挑戦』

<担当者の報告、参加者の発言からの評価の視点>

プラス評価の視点

命の大切さにまっすぐに向かっている。伝統行事を大切に思う気持ちが伝わる。知らないことのわかりにくさに挿絵が応えている。手に取りやすい表紙。人種差別、貧困などの社会的な課題が織り込まれている。登場人物の心情が伝わる。

マイナス評価の視点

内容は良いが、文の完成度は疑問。知らないことで想像しにくい。

 

読書感想文課題図書の選定基準(全国学校図書館協議会)が紹介され、どのような基準で本を選んでいるかを確認した。

「読書感想文課題図書は学校図書館で購入しているか」の質問があった。

参加者からの情報では、必ず購入しているところは少数であった。複本でそろえるところもあり、先生と必要性について話し、購入を調整している報告もあった。

今回の部会では、課題図書を評価するときの、「評価の目」を交流し深めることができた。

 

学校図書館研究部 2022年年 年間計画

計画は変更になることもあります。『子どもの本棚』のスケジュールも併せてごらんください

 

月  日

司会

2022年(司会)記録は4月に決める

4月1

  

前田

21年児童図書の動向

今の課題と解決のみち

5月6

道浦

読書感想文課題図書の評価

中学年(森・酒井・岡田・)・高学年(越川・千田・村田)

6月3

越川

読書感想文課題図書の評価

低学年(土屋・石井・小椋)・中学(磯村・道浦・前田)

7月1

 

ICTと学校図書館

8月5

酒井

全国大会の報告・情報交換

9月2

岡田

知識読み物の情報交換

10月7

実践報告

11月4

土屋

探究する子どものために学校図書館がサポートできること

12月2

千田

2022年出版の作品をふりかえる。

 1月6

石井

2022年出版の作品をふりかえる。

2月3

村田

学校図書館に今置くべき本とは

 3月3

 

次年度計画(または施設見学)

 

2021年7月 日本子どもの本研究会

学校図書館研究部会だより

 

 7月は実際に集まる部会ができました。久しぶりに参加された方、遠方から来てくださった方もいらっしゃって盛会でした。話題提供の内容と相まって、同じ場所で、相手の顔を見て言葉を交わす意義を改めて感じる時間になりました。

次回:7月30日(金)19時から2030

ICTと学校図書館 タブレット活用の情報交流

7月例会報告】 

202172日(金)1815分 武蔵野プレイス3

参加者17名 司会・福岡 記録・前田

 

ICT推進校の現場から 報告その2』土屋文代(公立小学校司書・部員)

※「その1」は201911月の「学校図書館のつどい」

土屋さん作成のレジュメ(A4 2枚)と資料2種類の計3枚配布。

「皆さん、気になるところ、意見を言いたい箇所に線をひきながらお聞きください」という言葉から開始。

 

    勤務校の組織、体制、児童へのタブレット配置状況、校内研究について紹介

    「からみ」と「ゆらぎ」の場面を意図的に設ける。

立ち止まること、壁を感じること、自分ごとに感じること。

関わりと揺さぶりがあるか、子どもの考えが深まっているか、問いながら。

タブレットを使うこと自体が目的化してはいけない。

何のために使うのかを明確にする。

 

    使うことで子どもにどんな力がつくのか、つかないのか。

「読書だから良い」「タブレットだから悪い」のように単純化するのではなく、必要な力をつけるためにすべきことを、必要なときに行う。

 

    機器、電気、Wi-Fiなどの条件で、うまくいかないときもある。

指導者は、「タブレットを使わないときはどんな学習が考えられるか」を考えて効果的な方法を選択する。児童は、場面に応じて使うものを選ぶ力をつける。

 

    一人1台のタブレットには「文房具」として使う場面、「情報源」として使う場面がある。

「文房具」として たっぷり触らせる

         制限をかけすぎない

         使い方を教える

「情報源」として 情報検索の質を上げる

         情報を比較する力の基盤をつくる

         適切なツールを選択できるようにする。

 

    学校図書館のICT活用を紹介

学校図書館のICT環境

    タブレットPC

    プロジェクタ

    書画カメラ

    スクリーン

    カラーレーザープリンタ

    安定したWi-Fi

 

事例 (成功例も失敗例も。タブレットが生かされた例もやはり紙の本が良いという例も)

    オリエンテーション

    凡例の利用指導(ICT活用のメリット)

    ブックトーク(ICTを活用した場合と、本と話のみの場合の違い)

    ビブリオバトル

    校外学習事前調べ(情報担当教諭との協働、インターネット検索の前に必要なこと)

    こまについて調べる(ICTは本を読ませるための道具)

    サイトマップからウェブサイトを評価する

 

    これからの学校図書館は何ができるか(みんなで考えたい)

    受け身になると、情報は流れていってしまう。

    本の厚さで情報の量を実感できる。(紙の資料の体験の大切さ)

    本をめくるという動作で調べ方が身につく。

    読むときに線を引く、囲むといった動作で、読むことと考えることがつながる。

    アウトプットの機会をつくる必要を感じる。

    対話、反応、言葉を大切にしたい。

    情報を集めただけではなく、それをどう考察するか、考えの深まりが課題。

 

 

2021年4月 日本子どもの本研究会

学校図書館研究部会だより

日本子どもの本研究会学校図書館研究部 だより

2021年年間計画 

部会は第一金曜日1830分~2030分 東京・武蔵野プレイス3

但しオンラインの場合は19時から21時 

参加申込 お問合せ honken.gakkou@gmail.com>

予定は変更することがあります。『子どもの本棚』ホームページをご覧ください。

月  日

2021年テーマ

会場

4月2日

年間計画・「学校図書館のつどい」をふりかえる

武蔵野プレイス

5月7日

読書感想文課題図書の評価

中学年(メイン岡田サブ村田)

高学年(メイン越川サブ千田)

zoomによるオンライン

6月4日

読書感想文課題図書の評価

低学年(メイン森サブ小椋)

中学校(メイン飯村サブ前田)

zoomによるオンライン

7月2日

ICTと学校図書館(調査してまとめて発表)

報告土屋文代

武蔵野プレイス

730

ICTと学校図書館

 今学校図書館で大切にしなければならないこと

zoomによるオンライン

8月6日

『知識読み物240』の活用術を語る

報告 『知識読み物240』著者の皆さん

武蔵野プレイス

9月3日

私の課題(仕事・趣味・生活他)に役立った本

武蔵野プレイス&zoom同時

10月1日

先生への働きかけ・学校司書への働きかけ

図書館活用に必要なコミュニケーションとは

未定

1119

全国大会の報告・情報交換

zoomによるオンライン

12月3日

2021年出版の作品をふりかえる。

武蔵野プレイス

1月7

2021年出版の作品をふりかえる。

zoomによるオンライン

2月4

次年度計画

武蔵野プレイス

3月

図書館見学

未定

【メモ】

9月の課題の解説

 自分の課題で本を探そう(自分探究学習のために見つけた1冊の紹介)

10月の課題の解説

下記のような内容に該当すること。どのような工夫ができるか探る。

押しかけレファレンス、この本いかが、(別名営業)

先生とコミュニケーション、学校司書とコミュニケーション、子どもとコミュニケーション

管理職とコミュニケーションなどどのような工夫をしていますか。

「先生はどんな授業をしたいのか」を知って本を選ぶ

司書の配置の仕方によって資料の話をするのは難しい。どうする。

 

<学校図書館研究部会の問題意識あれこれ〉深めたい課題が山積です。

ICTの課題に学校図書館から働きかける。

・学校図書館はICTの推進力にもブレーキにもなるために。

・司書の働き方、「この仕事にこの雇用形態は解せません」

・学校図書館の基本図書とは

・別置を考える(どうしてる)、分類ラベルは

・本ではない情報をどう扱うのか

・いい資料を共有できないか。

・今、目の前の子どもたちに合う本を選ぶ力(学校司書は資料を選択する)

・いい資料と利用指導は一緒にないと資料が生きない。

・「資料を使う」を「図書館を使える」につなげるには。

・先生の専門性を支える学校図書館になる。

 

2021年8月 日本子どもの本研究会学校図書館研究部会だより

臨時

 

 86日学校図書館研究部会 会場と開始時刻が変更になりました。

 

86日(金)学校図書館研究部会

19時から(報告開始1915分)オンラインに変更になりました。 

「小学校学年別知識よみもの240」(少年写真新聞社)活用術

報告 本書の編集・執筆者の皆さん

 

申込     <honken.gakkou@gmail.com>

 

 

学校図書館研究部だより

2020年3月 学校図書館研究部だより

一般社団法人 日本子どもの本研究会 学校図書館研究部会

 

3月部会〉

武蔵野プレイスが閉館のため、部会は中止としました。

 

〈2月部会報告〉

27日(金)1830分から2030

2019年発行の児童図書を振り返る」

2019年日本子どもの本研究会作品賞の候補作品について検討しました。

作品を絞り切れず、6作品を候補として推薦しました。

以下、参加者の皆様の感想です。

感想

・子どもの本研としてどんな本を押したいのかということを考えてみようと思いました。

皆さんから読んでいない本の話も伺えてよかったです。

・本をみんなで選ぶということは楽しいことですね。読んでない本が何冊もあってそこが残念だと思いました。これから残らず読んでみたいと思いました。

・多くの本の中から候補の本が7冊に絞られてよかったと思います。話題になった本は読んでみたいです。

・よい本をたくさん教えていただき、来てよかったです。まずは読まねば!と思いました。

・本の話がいっぱいできて本当に楽しかったです!!大事なことを受け容れやすいかたちで手渡せる本をもっと知りたい。

・どれもよい本で、選ぶことの難しさを感じました。皆さんの話、本の感想が聞けてとても勉強になりました。個人的に好きでもそれを押すまでの力のなさが今の自分の現状だと思いました。小学生の本はなかなか読むチャンスがなく、特に出版が多い中よい本を見つけることが大変だったろうと感心しよい本だけを知ることができありがたかったです。

・集まって、ある程度選ばれた本について話すことに意義があると感じました。まだ読んでない本もたくさんあり、読まなきゃと思います。

2019年に出版された本の中ですぐれた本をたくさん紹介していただきありがとうございました。新刊に目を凝らしながらも全然気づかずにいた本がたくさんあり本当に勉強になりました。毎月は出席できないと思いますがときどき参加させていただけるとありがたいです。

 

4月部会〉中止します。

418日(土)14時から1630分 中央大附属中学校高等学校図書館見学

1345分中大附属正門前集合 事前申し込みが必要です。

日本子どもの本研究会事務所 03-3992-0362 又は最寄りの学校図書館研究部員へ



学校図書館研究部

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2016学校図書館研究部会年間計画.pdf
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